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(カテゴリー)映画

(ニュースのタイトル)大きな困難を抱える子どもと親が語る、飾らない真実のストーリー。ノンフィクションベストセラーの映画化『いろとりどりの親子』

(更新日)2018年11月12日

(この記事について)

親と子が愛情を持って困難を乗り越えていくことが、お互いの“違い”を受け入れることにつながっていく。違ったっていい。私たちを取り巻くしあわせの形は、無限に存在しているのだから

本文

 2012年のベストセラーとなったノンフィクション本『FAR FROM THE TREE』は、大きな困難に直面し、愛、共感、理解をもってそれを乗り切った親子たちを追った作品です。24カ国語に翻訳され、国内外の50以上の賞を受賞しました。本書の著者アンドリュー・ソロモンは、10年をかけて、身体障害、発達障害、LGBTなどさまざまな“違い”を抱える子どもを持つ300以上の親子に取材をし、900ページにわたって、家族の本質を探ることに尽力しました。その後、本書をむさぼるように読んだというエミー賞受賞経験もある女性監督レイチェル・ドレッツィンは、ドキュメンタリー映画化を決意し、30もの映画化のオファーがあった中から、その権利を勝ち取ったのです。
 ちなみに、本書と映画の原題タイトルは、”The apple doesn’t fall far from the tree.(リンゴは木から遠いところへは落ちない)ということわざに由来します。アンドリューは、「子は親に似るもの」という古くからの先入観に対して、まっすぐに疑問を投げかけます。

 本作では、自分たちとは全く異なる子どもを育てる親と、“違い”を持った子どもが直面する困難とその経験から得られる喜びについてのプロセスが描かれています。映されるのは、6つの親子。原作者であり映画の語り手でもある、アンドリューと父親ハワード・ソロモン。かつてダウン症の人々の可能性を世に示す代弁者として人気を博し、テレビ番組「セサミストリート」にもレギュラー出演していたジェイソンとエミー賞受賞脚本家のエミリー・パール・キングスレー親子。タイピングを覚えるまで、言葉を発することがなかった自閉症のジャックと彼のためにあらゆる治療法を試したエイミーとボブ・オルナット夫妻。母親に完全に保護された生活を送る低身長症のロイーニ・ヴィヴァオ。「自分たちには治すべきところなんてない」と低身長症としての人生をありのままに楽しんでいるリア・スミスとジョセフ・ストラモンド夫婦。そして、息子トレヴァーが重罪を犯し、刑務所に送られることになったリース家の人々。深刻でときに悲惨な家族の物語にひとすじの希望を抱くことができるのは、本作がさまざまな形の“親密な愛情”を表しているからです。


それでも深く愛さずにはいられないことが、“違い”を受け入れることへとつながる

 映画『いろとりどりの親子』は、“違い”は人々を分断するものではなく、“違い”のある人たちのことを真剣に考える“家族”という組織形態こそが、人々を結びつけることができることを教えてくれます。ここで映される親子の物語は、親の無限の愛情は何ものにも勝ることを証明するだけでなく、彼らが、愛、共感、相互理解への情熱を持って最も普遍的やり方で困難を克服していく様子を通じて、ありのままの姿を愛する勇気を与えてくれるのです。
 息子が重罪を犯した母が、それでも「子どもを愛することは止められない」と語るように、どんな問題があっても、我が子をほかの子と交換したいと願う親はいないはずです。どんな親も普通の子を望むはずという考えも、決めつけでしかないのです。本作は、“違い”をどう愛するかを学んでいく親子の姿を映しながら、その“違い”を欠陥としてではなく、光として祝福する方法を見出します。“普通”と“マイノリティ”の間に引かれた線は曖昧になり、自分が思い込んできた“普通”の向こう側の人生を知るための、貴重な窓となってくれるドキュメンタリー映画です。

感動的で、非常に思慮深い作品
—The Culture Files

世界で多様性の価値に疑問が投げかけられている今、
この映画は美しい真実と揺るぎない希望に溢れている。
—アンドリュー・ソロモン(原作者)

「違う」ことが恐怖と憎悪を生み、「同じ」ことが共感と愛を生む、そう思いこまされている私たちに、この映画は違う次元の可能性を見せてくれる。
—谷川俊太郎(詩人)


【作品情報】
20181117日(土)、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

「いろとりどりの親子」

監督:レイチェル・ドレッツィン
原作:アンドリュー・ソロモン著「FAR FROM THE TREE: Parents, Children and the Search for Identity
音楽:ヨ・ラ・テンゴ、ニコ・ミューリー

2018年/アメリカ/英語/93分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/原題:FAR FROM THE TREE/日本語字幕:髙内朝子

(C)︎2017 FAR FROM THE TREE, LLC
提供:バップ、ロングライド 配給:ロングライド

公式Webサイト http://longride.jp/irotoridori/

【フレンドリー上映】の開催
新宿武蔵野館では、「いろとりどりの親子」上映期間中、毎週火曜日初回上映にて【フレンドリー上映】を開催致します。【フレンドリー上映】は、スクリーンの光に敏感なお客様や場内の大きな音が苦手というお客様に配慮し、通常の上映環境より、上映中の場内の照明は明るく、音響は控えめとなります。また、上映中に声を出しても、動き回っても、何度出入りしても問題ございません。

新宿武蔵野館Webサイト:http://shinjuku.musashino-k.jp/news/7438/


インフォメーション

20181117日(土)、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

「いろとりどりの親子」

監督:レイチェル・ドレッツィン
原作:アンドリュー・ソロモン著「FAR FROM THE TREE: Parents, Children and the Search for Identity
音楽:ヨ・ラ・テンゴ、ニコ・ミューリー

2018年/アメリカ/英語/93分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/原題:FAR FROM THE TREE/日本語字幕:髙内朝子

(C)︎2017 FAR FROM THE TREE, LLC
提供:バップ、ロングライド 配給:ロングライド

公式Webサイト http://longride.jp/irotoridori/

会場

[新宿武蔵野館] 東京都新宿区新宿3-27-10

新宿武蔵野館
東京都新宿区新宿3-27-10