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(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)宮城・にしぴりかの美術館で、展覧会「かんじんなことは、目に見えない」開催中

(更新日)2020年09月28日

(この記事について)
新型コロナウイルス、放射能…目に見えない様々なものに想像力を巡らせ、表現するアーティストたちを紹介

世界各地で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による感染拡大が広がるなか、我々は長いSTAY HOMEを経て、ウイルスとの共生を図るため、新しい生活様式を取り入れようとしています。よく知られているように、人類と感染症の歴史は古く、ペストや天然痘、コレラなど歴史的な出来事として記述されているだけでも多岐にわたっています。

一方で感染症の大流行は、人々の考え方や行動様式を劇的に変えるきっかけになってきました。奈良時代に流行した天然痘の感染終息を願って東大寺の大仏が建立されたり、14世紀のヨーロッパで流行したペストが封建社会崩壊の一因になったりしたように、感染症のパンデミックが世の中の大変革や進歩、社会の改善につながったとも言われています。しかし、パンデミックそのものが社会変革をもたらしたのではなく、実は「見えないもの」はそれまでも潜在的に存在しており、パンデミックによって加速し、露呈したに過ぎません。

振り返ってみると、感染症のような「見えないもの」との付き合いは、いまに始まったことではありません。とくに日本では古来より、見えないものを見ようとする文化がありました。邪気を払うための「節分」の風習や、ウイルスによる疫病を擬神化し、養生法や呪術により、これらの疫病神を退治しようとしていた歴史など、日常に見えないものを恐れ敬う暮らしがあったのです。そして現在でも、福島第一原発から漏れ続ける放射能や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など、私たちは、数え切れない「見えないもの」の脅威にさらされながら生きています。同時に、そうした得体のしれないものがもたらす漠然とした不安は、悲しいことに、常に人々の差別や分断を生んできました。

本展では、「見えないもの」をテーマに創作を続ける人たちの表現をご紹介します。本展で紹介する人たちは、それぞれ独自の方法で「見えないもの」を可視化させ、その時代の空気を記録しておこうと試みています。「見えないもの」に対し想像力を巡らせることは、人間以外の生命を畏れ敬うことです。そうした想像力は、困難な状況においても、なお分断を乗り越え、人々をつなぎとめるための想像力にほかならず、現在そして将来起こりうるべき脅威に対し、対抗する力になり得るかも知れません。


【出展作家】

Steven Hirsch
1948年生まれ、ニューヨーク在住。
フォトジャーナリスト。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ニューヨークがロックダウンする直前の2020320(自身が外出自粛を始めた日)から、パンデミックやそれによって変化した生活を描写した絵を連日独学で描き続けている。


長 恵
1942年生まれ。
広島県内の福祉施設にて、障害のある人たちの表現活動の支援に携わる。2007年に退職してからは、自宅にて絵を描き始める。クリスチャンとして、自分の生い立ちを描いた詩画や、独特な体型をした天使の絵画などを制作。


景山 八郎
1937年生まれ。
中学卒業後、独学で研究を進める中で、天体の発見やロケット設計などに携わる。58歳の時には隕石に不思議な力があることを発見し、63歳で東京都新宿区に「宇宙村」をオープンし、村長となる。テレパシーで宇宙人を描くなど、現在も宇宙との交信を続けている。


宮前 一明
1960年生まれ。
オウム真理教元幹部。2008年の死刑確定後より、筆ペンで山河や鳥を描き始める。拘置所内で限られた画材を駆使して、毎年「死刑囚表現展」に応募し、多彩な表現を披露していた。2018年、死刑執行により57歳没。


Chim↑Pom
2005年、卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀によって、東京で結成されたアート・コレクティブ。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したクリティカルな作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、独自でもさまざまなプロジェクトを展開している。

(写真について)Photo: Seiha Yamaguchi

木下 今朝義
宮崎県生まれ。
6歳でハンセン病を発症し、17歳のとき、強制隔離政策により熊本にある「国立療養所 菊池恵楓園」へ隔離収容され、2014年に99歳で亡くなるまでそこで過ごす。1953年に施設内で発足した絵画クラブ「金陽会」にて、60歳を過ぎてから絵を描き始めた。

(写真について)©一般社団法人金陽会

栗田 淳一
1988年生まれ、滋賀県在住。
大学在学中に調子を崩し、躁鬱病の診断を受ける。20141月より、本格的に絵を描き始め、翌年から滋賀県甲賀市の「やまなみ工房」へ通っている。不気味な絵や立体造形は、調子の悪いときに自傷行為の代償として制作している。


インフォメーション

かんじんなことは、目に見えない

会期:2020920日(日)〜1229日(火)
開館時間:11:00-17:30
休館日:木曜日
会場:にしぴりかの美術館(宮城県黒川郡大和町吉岡館下47
観覧:無料

主催:特定非営利活動法人黒川こころの応援団
協力:一般社団法人金陽会、一般社団法人ヒューマンライツふくおか、死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金、社会福祉法人やまなみ会やまなみ工房、(株)宇宙村
企画:櫛野展正(クシノテラス)

お問い合せ: にしぴりかの美術館
TEL:070-5011-0028
Eメール:info@nisipirica.com

ACCESS(会場)

[にしぴりかの美術館] 日本、宮城県黒川郡大和町吉岡館下47

にしぴりかの美術館
日本、宮城県黒川郡大和町吉岡館下47