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デザインされた画像。黒い背景に、赤や青、黄色、オレンジの別々の形をした切り紙のようなパーツが散りばめられている。それぞれに水玉や、渦巻きなど別の模様がついている。

(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)触の祭典「ユニバーサル・ミュージアム さわる!めぐる物語」開催

(更新日)2023年10月04日

(この記事について)

滋賀・ボーダレス・アートミュージアムNO-MAで開催、会場内にあるすべての作品をさわって体験する展覧会

本文

2021年大阪の国立民族学博物館で、ものとの対話や人と人とのコミュニケーション(触れ合い)など、「さわる」ことの多面的な価値を示す画期的な展覧会「ユニバーサル・ミュージアムーさわる!“触”の大博覧会」が開催されました。そして、この秋、大きな反響を呼んだ「ユニバーサル・ミュージアム」展が、そのコンセプトを引き継ぎ、滋賀県近江八幡市のNO-MAとまちや倶楽部、2つの会場で開催されます。

この展覧会では、彫刻や絵画、歴史資料など、会場内にあるすべての作品をさわって体験することができます。「さわる」といってもその方法はさまざま。寝転がったり、覆われたりするなど全身を使うこともあれば、音を振動で感じ取るものもあります。
視覚に拘らない鑑賞を提示する本展は、いわゆる障害者対応・弱者支援という枠を超えて従来の展示の在りようを問い直します。会場に訪れるすべての人たちの「手」で新たな物語を紡ぎ連鎖していく展覧会です。「さわる」ことから可能性が広がります。

出展作家・団体

芦屋大学(制作協力)、伊藤喜彦、大塚オーミ陶業株式会社、片山博詞、加藤可奈衛、株式会社三木製作所、北川太郎、桑田知明、島田清徳、高見直宏、戸坂明日香、冨長敦也、日本点字図書館(資料提供)、笛吹きボトルプロジェクト、堀江武史、宮本ルリ子、守屋誠太郎、米田 文、若林孝典 わらべ館(協力)、渡辺泰幸、わたる(石川智弥+古屋祥子)

【写真】白いボール状の作品を、両手でさわっている手元

米田 文《けんこうボール》

【写真】野外で人型の造形物の上に、人物が寝転がっている様子

冨長敦也《Ninguen》制作風景

【写真】展示空間内の天井から白い布のような作品が垂れ下がっている。下に鑑賞する人々。

島田清徳《境界 division – k – 2019》

【写真】床半分に、手のひらサイズの白い工作物が一面に広がっている。子供2人がかがんで作品をさわっている。

渡辺泰幸《土の音 2015》愛知県陶磁美術館 愛知ノート―土・陶・風土・記憶― での展示風景


広瀬浩二郎(こうじろう)さん(本展監修者)のメッセージ

【写真】ひろせこうじろうさんが、野外彫刻をさわっている様子。遠くに太陽の塔がみえる。

「生きることが光となる」。ここでいう「光」とは可視光のみではない。人間が肉眼でとらえることができるのは、「光」の一部である。
「さわることで光がわかる」。僕たちは身体に分布する「触角」(センサー)を駆使して、「光」にアプローチしなければならない。そのためのキーワードが「めぐる」である。物にさわると、全身をかけめぐる感動が得られる。自らの身体を動かし、手を伸ばせば、他者、そして新たな自己にめぐりあうことができる。展示会場をゆっくりめぐり、思考をめぐらす。ぐるっと体と頭がひとめぐりして、また元の場所(自分)に戻ってくる。原点に立ち返ったあなたは、きっと今まで以上に「光」輝いているだろう。
ボーダレスとは、あちらとこちらを隔てる垣根がないこと。見えるもの・見えないものを包み込む「光」が、僕たちの身体から放出される。不可視の「光」を補足する想像力・洞察力を磨くために、僕たちはもっと自他の内面(物語)にさわらなければならない。
「Glow Is Growing」。世界中の垣根を取っ払い、万人が「光」を共有するユニバーサル・ミュージアムの挑戦が今、ここから始まる!


関連イベント

  • ギャラリーツアー

講師:広瀬浩二郎(本展監修者/国立民族学博物館 教授)
日時
10月15日(日)午前11時から昼12時30分
11月18日(土)午後3時30分から午後5時
11月23日(木・祝)午後1時30分から午後3時
場所:NO-MA、まちや倶楽部
参加費:無料
定員:各回10名程度 要申込

  • 映画上映会『手でふれてみる世界』&アフタートーク

イタリアに暮らす、視覚に障害を持つ夫妻が創設したオメロ触覚美術館を舞台に制作された映画『手でふれてみる世界』が上映されます。上映後には、岡野晃子監督と本展監修者である広瀬浩二郎氏によるアフタートークが行われます。

登壇者:岡野晃子監督(映画監督)、広瀬浩二郎
日付:11月18日(土)
映画上映:午後1時30分から午後2時30分 ※音声ガイド・日本語字幕付き
アフタートーク:午後2時30分から午後3時
場所:酒游舘(滋賀県近江八幡市仲屋町中6)
参加費:無料
定員:40名 要申込

  • 音にさわる演奏会

本展の出展者、渡辺泰幸氏の作品を打楽器奏者・即興演奏家である永田砂知子氏が演奏するコラボレーション企画です。演奏会後には来場者が参加できるワークショップが実施されます。

出演:永田砂知子(打楽器奏者)
解説:渡辺泰幸(造形作家)
日時:11月4日(土)午後2時から午後4時
場所:酒游舘(滋賀県近江八幡市仲屋町中6)
参加費:無料
定員:30名程度 要申込

  • Love Stone Project―NO-MA

本展の出展者、冨長敦也氏と一緒にその土地の石を磨き、参加者とともに作品を作り上げるプロジェクトが実施されます。10月、11月に酒游舘で開催されるスワイバザールに出店。「音にさわる演奏会」でも同時開催されます。誰もが自由に参加できるワークショップです。

講師:冨長敦也(彫刻家)
日時:10月15日(日)、11月4日(土)、11月19日(日)いずれの日も午前10時から午後3時
場所:酒游舘(滋賀県近江八幡市仲屋町中6)
参加費:無料

  • ワークショップ 自分だけの鈴をつくろう

本展の出展者、渡辺泰幸氏の作品である土鈴に参加者が自由に絵を描いたり、装飾ができるワークショップです。10月、11月に酒游舘で開催されるスワイバザールに出店。「音にさわる演奏会」でも同時開催されます。

日時:10月15日(日)、11月4日(土)、11月19日(日)いずれの日も午前10時から午後3時
場所:酒游舘(滋賀県近江八幡市仲屋町中6)
参加費:500円
定員:各回先着20名

  • NPO法人しが盲ろう者友の会と学生によるワークショップ

(こちらのワークショップの詳細は、未定です。下の主催者様ウェブサイトより最新情報をご確認ください。)

関連イベントの詳細、お申し込みは ボーダレス・アートミュージアムNO‐MAウェブサイトよりご確認ください。


インフォメーション

触の祭典「ユニバーサル・ミュージアム さわる!めぐる物語」

会期:2023年10月7日(土)から12月17日(日)
時間:午前11時から午後5時
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
料金:一般 600円(550円) / 高大生550円 (500円) ※()内は20名以上の団体料金 ※中学生以下・障害者手帳をお持ちの方および付添いの方(1名まで) 無料
第1会場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町上16)
第2会場:まちや倶楽部(滋賀県近江八幡市仲屋町中21)
主催:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、社会福祉法人グロー(GLOW)~生きることが光になる~ 
後援:滋賀県、滋賀県教育委員会、近江八幡市、近江八幡市教育委員会 
協力:NPO法人しが盲ろう者友の会
監修:広瀬浩二郎(国立民族学博物館 教授)

お問合せ:ボーダレス・アートミュージアムNO‐MA

会場

[ボーダレスアートミュージアム NO-MA] 滋賀県近江八幡市永原町上16

ボーダレスアートミュージアム NO-MA
滋賀県近江八幡市永原町上16

[まちや俱楽部] 日本、滋賀県近江八幡市仲屋町中21

まちや俱楽部
日本、滋賀県近江八幡市仲屋町中21