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(写真について)《ヨーガン レールの最後の仕事》2011-2014
「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(東京都現代美術館、2015)展示風景【参考画像】

(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)ヨーガン レールが晩年つくり続けた、廃品から生まれた美しい照明たち。金沢21世紀美術館(石川県・金沢市)にて「ヨーガン レール 文明の終わり」展開催中

(更新日)2017年09月13日

(この記事について)

一人ひとりの小さな力を大きな力へ、そう信じて美しいものを生みつづけたヨーガン レール「最後の仕事」を見る展覧会

本文

 自然とともに暮らし、その尊さを伝えてきたデザイナー、ヨーガン レールが「最後の仕事」として選んだのは、海岸に打ち寄せられた廃品のプラスティックから美しい照明を作り出すことでした。
 ヨーガンが晩年移住した石垣島の浜辺には毎日大量のゴミが流れ着いていました。プラスティック製品のなれの果て、発泡スチロールの切れ端、ペットボトルのふた、洗剤の容器や子どものおもちゃなど…どれも決して自然に還ることのないゴミの山でした。美しい海岸がゴミであふれかえる に悲観し、人間が招く「文明の終わり」を感じながら毎日ゴミを拾い集めていたヨーガンは、ある時から、集めた醜いゴミを色ごとに分類し、そこから美しいものを作り出すことにしました。ただゴミの山を示して自然破壊への警鐘を鳴らすのではなく、そこから美しくかつもう一度人の役にたつ実用的なものに変えることは、ヨーガンのデザイナーとしての小さな抵抗であり「最後の仕事」となりました。ゴミの山から生まれた大量のランプは美しく光り輝き、ヨーガンの軽やかで強いメッセージを発します。
 この展覧会では、これらの照明と共に、ヨーガンがその唯一無二の美しさに魅了され、長い時間をかけて拾い集めた、ババグーリ/ 瑪瑙石を展示しています。

Photo : MINAMOTO Tadayuki

ババグーリ(瑪瑙石):ヨーガン レールが拾集した石


ヨーガン レール(Jurgen Lehl )
1944年生まれ、ドイツ人
1971年に来日、ヨーガン レール社を設立。オリジナルのテキスタイルやジュエリー、または家具や器など幅広いデザインを手がける。2006年、環境に配慮し、手仕事のものづくりを大事にしたブランド、Babaghuri(ババグーリ)を始める。2014年、逝去。

石垣島のビーチでゴミを拾うヨーガン レール


インフォメーション

【展覧会情報】
「ヨーガン レール 文明の終わり Jurgen Lehl  The End of Civilization

会期:201785日(土)〜115日(日)
開場時間:10:00 – 18:00(金・土曜日は20:00まで)
休場日:毎週月曜日(ただし、918日、109日、1030日は開場)、919日、1010
会場:金沢21世紀美術館 展示室513    石川県金沢市広坂1-2-1
TEL. 076-220-2800
料金:一般1,000(800) / 大学生800(600) / 小中高生400(300) / 65歳以上の方800
( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金 
※「日々の生活—気づきのしるし」展と共通チケット

前売りチケット:
チケットぴあTEL 0570-02-9999(Pコード[本展観覧券]768-377)
ローソンチケットTEL 0570-000-777(Lコード[本展観覧券]52171)
販売期間:115日(日)まで

主催:金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]

会場

[金沢21世紀美術館] 石川県金沢市広坂1-2-1

金沢21世紀美術館
石川県金沢市広坂1-2-1