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(カテゴリー)映画

(ニュースのタイトル)映画 『マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち』が11月25日(土)より全国公開

(更新日)2023年11月24日

(この記事について)

42歳の自閉症のケース・モンマが80代の両親の元からの自立を目指す日々を、8年にわたり丁寧に撮り続けたドキュメンタリー。果たしてケースは〈自立〉できるのか?

本文

ケース・モンマ、42歳自閉症。自立のススメ── 

実家の離れで長年“半分自立”した暮らしを送ってきた自閉症のケース・モンマ(42歳)。365日両親のサポートのもと生活してきたが、かいがいしく世話をしてくれる両親はいつしか80代に。“本当に自立”すべく一人暮らしをすることにしたが、その道は前途多難。両親の支えを失うのが不安でたまらない。さらに外的刺激に敏感なケースには、天候やわずかな音でも非常に大きな不安の種。さらに、我が子のサポートのため人生を捧げて来た母は、息子をそばに置いておきたがっているのだ・・・。連絡係のボランティアとの交流、父の入院など、モンマ家で起こる様々な出来事を丹念に描きながら、〈自立〉の道のりを映し出す。果たしてケースは〈自立〉できるのだろうか?

8年間にわたる撮影で描き出される ある親子のかたち 

撮影中に50歳を迎えたケース。両親はともに80歳を超えている。最近母には認知症の兆候が現われ始めた。かつて揺るぎない安心を与えてくれるはずだった両親。その姿が変わっていくのを目の当たりにし、パニックに陥るケース。そんな息子に、自分たち亡きあとも安心な暮らしをさせてやりたいと願う両親だったが…。“共生関係”とも言えるほど独特の信頼関係を築いてきた母子を前にして、父親さえもが“部外者”である。何よりもケースを優先することを使命としてきた家族関係には、重要な柱が一つ崩れた時、何が起こるのだろうか?親こそ子離れできるのだろうか?〈自立〉を目指す家族の姿を時にユーモラスに、時に赤裸々に映し出している。 

『ケースのためにできること』をオランダで450万人が見た、モニーク・ノルテ監督待望の新作! 

監督とケースの出会いは1997年。以来、26年間にわたり交友関係を続け、ケースと両親の関係を撮り続けてきた。35~56歳まで(2008~2014年)のケースを追った前作『ケースのためにできること』(EUフィルムデーズ2020上映時邦題)は、本国オランダで延べ450万人が見て、ケースは一躍“時の人”となり、自閉症がメディアの注目を集めた。同作はのちにTVシリーズ化される程人気を呼んでいる。本作では、長年の信頼関係があるからこその視点から、ケースの魅力的な人柄、親密な家族関係も描き出した。 


映画 『マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち』予告編(1分37秒)

登場人物

ケース・モンマ Kees Momma

1965年6月22日、オランダ、ハーグ郊外のワッセナー生まれ。
3人兄弟の末っ子として育つ。9歳のとき、テレビで自閉症を取り上げた番組を見て、自分が自閉症であることを自覚。後に検査で自閉症だと診断された。マヴォ・ディプロマ(一般中等教育終了証)を取得し、自治体の文書館で働くように。カリグラファー、アーティストとしての仕事もこなす。また、グライダーのパイロット免許を所持しており、飛行機の模型も製作する。1996年、自伝 “En toen verscheen een regenboog – How Ik mijn autistische leven ervar”(そして虹がかかった─自閉症の人生をどう体験したか)を出版。1999年に続編“Achter de onzichtbare muur – een autist op reis door het leven”(見えない壁の向こうに-ある自閉症者の人生の旅)を出版。2014年、既刊の2冊をまとめた”A Journey through Kees’s Life“を出版している。


監督

モニーク・ノルテ Monique Nolte

オランダのドキュメンタリー作家。2017年より、ドキュメンタリーを通じて社会問題の解決を目的とするプラットフォーム「Doclines」CEO。
初長編監督作品は、ケース・モンマを撮った“Trainman”(1998年)。1997年にモンマ家と交流を始めて以来、長年にわたりケース・モンマと家族を撮り続けている。
ケースを撮った前作『ケースのためにできること(Only the best for our Son)』(2014年)は世界中で上映され、オランダの国営ドキュメンタリー・チャンネル「2Doc」の、過去5年間のベスト・ドキュメンタリーに選出された。さらに、テレビ初放送後、同作品はソーシャルメディアで280万ビューを記録し、2日間トレンドトピックとなった。公式フェイスブックページでは、自閉症当事者を含む10万1000人以上のコミュニティが、ケースの人生をフォローした(2014年時点)。オランダではケースは一躍「時の人」となり、自閉症がメディアの注目を浴びた。同作は、自閉症に対する認識を深め、関連するタブーや羞恥心を減らすことに貢献した。このドキュメンタリーは、専門家や警察の研修に使われたり、自閉症やその他の障害のある子どもを持つ親を支援するためにも用いられている。また勉強会や教育目的で定期的に上映されている。またオランダで過去最多の約450万人が視聴した大ヒット作品でもある。
最新ドキュメンタリーである『マイ・ファミリー~自閉症の僕のひとり立ち(A Place like Home)』(2023年)は、オランダの主要ストリーミング配信会社「Videoland」で最も視聴された作品のひとつであり、現在、オランダ映画祭ゴールデンカーフ賞に選出された。


劇場情報

2023年11月25日(土)より、新宿K’s cinemaにて公開

その後、横浜 シネマ・ジャック&ベティ、名古屋シネマスコーレ、アップリンク京都、シネ・ヌーヴォ、元町映画館等での上映予定。

詳細は映画の公式サイトをご確認ください。


インフォメーション

映画『マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち』

監督・脚本:モニーク・ノルテ Monique Nolte
エグゼクティブ・プロデューサー:エリック・ブレーメル Eric Bremer
音楽:トビアス・ボルケルト Tobias Borkert
撮影:ヨースト・ホーゼマンス Joost Hoozemans
   ピエール・レズス Pierre Rezusz
   ロヒー・ティンメルマンス Rogier Timmermans
編集:ヘルマン・P・コーツ Herman P. Koerts
出演:ケース・モンマ Kees Momma
   ヘンリエッテ・モンマ Henriëtte Momma
   ヴィレム・モンマ Willem Momma
   ヤスパー・モンマ Jasper Momma

2023年/オランダ/カラー/83分/ドキュメンタリー 
原題:Kees vliegt uit英題:A place like home
EUフィルムデーズ2023上映時邦題:ケースがはばたく日 
後援:オランダ王国大使館 Embassy of the Kingdom of the Netherlands
一般社団法人 日本発達障害ネットワーク 
一般社団法人 日本自閉症協会 
日本版字幕:吉川美奈子 

映画『マイ・ファミリー 自閉症の僕のひとり立ち』公式サイト